【現役画像処理エンジニア厳選】画像処理から画像認識までのおすすめの入門書7選

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こんにちわ!都内のスタートアップでデータ分析しているやじろべえです。
今回は画像処理さらには画像認識を本格的に学びたい人向けにおすすめの書籍を紹介します。
私は画像処理や画像認識を実務で5年ほど携わってきましたが、最近は画像以外のデータも使い始めてきているので、これまでに学んできた書籍を忘備録という意味でもこの記事にまとめたいと思います。
おすすめのUdemy動画講座もまとめていますのでこちらもあわせてどうぞ!
数年前から深層学習(ディープラーニング)が物凄い勢いで進化し続けていて、特に画像分野においては無くてはならない技術になってきました。
一方で、コンピュータビジョンをこれまでやってこなかったエンジニアがいきなり深層学習から学び始める事も多くなった気がしています。もちろん深層学習は素晴らしい技術で学ぶこと自体はとても良い事ですが、コンピュータビジョンは深層学習が全てではありません。
場合によっては、深層学習が使えないこともあったり、そもそもそんな高コストな計算能力を必要としないケースも実務においては多々発生します。
そんな時に状況に応じて適切な画像処理技術を使い分ける事が出来るエンジニアが強いと個人的には思います。
私の経歴としては、初めて実務で画像処理技術を使ったのは人工衛星画像の解析でした。16bit階調を8bit階調に変換して、その後に輝度調整して特徴点抽出といったことをやってました。
次の職場では画像処理アルゴリズムの開発エンジニアとして、画像検査装置に実装される画像処理アルゴリズムをC++で開発していました。
そして、現在の職場では機械学習や深層学習を使った画像認識技術の開発を行っています。
私は大学時代も画像は専門では無く、誰からも教わっていませんし完全独学です。基本的にはこれから紹介する本を読んで、それを実務で実践するというサイクルをこなすことで独学でもこれだけの仕事をこなせるレベルになりました。
ですので、これから画像処理や画像認識を学びそれを実務で生かしていきたい方に参考になると思います。
また、コンピュータビジョンは歴史が古く、かなりの数の書籍が世の中にはありますが、ここでは厳選して紹介したいと思います。今後もっと良い書籍が出てきたら更新していきたいと思います。

目次

画像処理の理論を基礎から学ぶ

コンピュータで画像処理をする上で最低限必要な理論的な知識を得ることが出来る良書を紹介します。
数式が出てきたりして読んでると辛い部分もありますが、最初から全てを理解する必要は無いのでまずは最初から最後まで目を通すことをおすすめします。
  • ディジタル画像処理 改訂第二版

元々は画像処理検定のための教科書的な位置づけとして販売されていますが、資格を受ける受けない問わずとても良い本です。
画像処理をコンピュータで処理するとはどういうことか、空間フィルタリングやパターン認識といった実務で使う基本的な内容はほぼ網羅されていると思います。
一点だけ注意として、この本は理論がメインです。ソースコードは一切書かれていませんので、プログラミングするために使う本ではありません。
ただ、画像処理・画像認識エンジニアとして実務するのであればライブラリが使えるのはもちろんですが、理論的な背景まで知っておくべきですし、知らないとどこかで詰まると思います。
そういった意味でもこの本で書かれている内容はしっかり理解しておくことおすすめします。
  • ディジタル画像処理の基礎と応用 ~基本概念から顔画像認識まで~

この本は理論的な内容とサンプルコードで書かれていて難しすぎずバランスが取れているのでおすすめです。
画像処理アルゴリズムをスクラッチでVC#で紹介されています。私は正直ソースコードはあまり参考にはしませんでしたが、理論的な説明が簡潔に書かれているので辞書代わりに使っていました。
また、C系の言語になれていない人は少しコードが読みづらいかもしれませんが、代表的な画像処理アルゴリズムをスクラッチで開発する必要があったり、理論からコードに落とし込むとどんな感じになるのかといった雰囲気を掴むのには参考になると思います。

画像処理ライブラリ(OpenCV)を使いこなす

画像処理や画像認識のプロダクト開発をする際に全てをスクラッチでやることはまず無いと思います。
基本的にはいくつかの代表的な画像処理ライブラリを使うことになるわけですが、おそらく最も有名であるOpenCVを使いこなせればまず困らないかなと思います。
OpenCVがある程度使いこなせればそれ以外のライブラリを覚えるのも難しくないです。
ここではOpenCVを使いこなすために参考になる本を紹介します。
  • OpenCVによる画像処理入門 改訂第二版

OpenCVを使って初めて画像処理をやってみたい方はこの本がオススメです。タイトルの通り本当に基本的なことが網羅されています。
おそらくこの本だけではまだ足りないので、まずはこの本でOpenCVを使った画像処理に慣れてから次のステップに進むことをおすすめします。
また、C、C++、Pythonに対応しているサンプルプログラムがついています。
  • 詳解 OpenCV 3 ―コンピュータビジョンライブラリを使った画像処理・認識 (日本語)

OpenCVに関する本の中でおそらく最も有名なオライリー本です。タイトルはOpenCVと付いてますが、コンピュータビジョンに関することはかなり細かく網羅されている良書です。
和訳書籍なので文章的に少し表現が固い部分もあったりして、前の本に比べると少し上級者向けの内容となっています。
ただ、個人的にはこの本の最初から最後まで全て目を通す必要は無いかなと思います。もちろん全て理解することは望ましいですが、私は辞書代わりに使っています。
この本は分厚くお値段も少ししますが、OpenCVとコンピュータビジョンを実務で使う人には間違いなくおすすめの一冊です

画像認識を学ぶ

画像処理から更に発展して画像認識まで学びたい方向けにおすすめの本を紹介します。
画像認識、特に深層学習は日々進化してるのでこちらで紹介している本も既に情報が少し古くなっています。
ただ、根本となる考え方は共通してますし、このレベルの内容が理解出来ないと最新の論文を読んでも理解出来ない可能性が高いのでまずはこの本をマスターすることをおすすめします。
その上で自分の専門領域の論文を読んだり、あるいは専門書に進んでいくことが良いと思います。
  • 画像認識(機械学習プロフェッショナルシリーズ)

古典的な特徴抽出から、機械学習、深層学習について幅広く網羅されている良書です。画像認識の基礎はこの本を一冊理解すれば最新の論文も読めるようになると思います。
注意点として、この本もソースコードは一切無く、理論が中心です。
また、画像認識をやる上で基礎的な内容ではありますが初学者にとってはかなり難解に感じると思います。
特にこれまでに紹介してきた本の中で最も数式が登場します。内容も線形代数、微分、行列といった大学初等レベルの知識が必要となります。
コンピュータビジョンを専門に実務で使っていきたい方はこちらの書籍を理解しておくことをおすすめしますが、趣味レベルで使うだけであればこの本は必要無いと思います。
  • 実践コンピュータビジョン

この本はタイトルの通り、理論よりも実践に重きが置かれた本です。
内容としては、古典的な特徴抽出、画像変換、カメラモデル、画像のクラスタリングといったことがサンプルコード(Python)と一緒に載っています。
画像ライブラリの関数の説明というよりは、コンピュータビジョンでよく使われる有名なアルゴリズムをスクラッチで実装する例が書かれています。
注意点として、この本ではOpenCVを使わずにPILというライブラリで書かれています。また、コンピュータビジョンに関する内容が網羅されている訳では無いので、そこも注意が必要です。
個人的にはこの本は画像処理をスクラッチで実装したいもしくはする必要がある人には参考になると思います。
  • PythonとKerasによるディープラーニング

Kerasと深層学習の組み合わせを学びたいのであればもはや鉄板になりつつある良書です。
この本は画像処理に関する基本的なことは書かれていません。あくまでも深層学習に特化した本です。
難しい理論的な内容をなるべくわかりやすく説明されており、かつPythonとKerasによるサンプルコードも豊富なので初学者でもかなり取っ付きやすい本なので、かなりおすすめです。
数学が苦手な方はまずはこの本で手を動かしてみて、慣れてきたら画像認識(機械学習プロフェッショナルシリーズ)で理論的な内容を補強していく進め方が良いと思います。

最後に

今回は画像処理・画像認識のおすすめ本をまとめました。7冊紹介しましたが、最低限として下の三冊をやっておけばかなりの実力になると思います。
  1. コンピュータビジョンの基礎理論は、ディジタル画像処理[改訂第二版]
  2. コンピュータビジョンの基礎的な実装は、詳解 OpenCV 3
  3. 深層学習も含めた画像認識の実装は、PythonとKerasによるディープラーニング
おそらくこれだけだと深層学習の理論的な部分が足りないので、そこまで学ぶ必要がある方は、画像認識 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)で補強するという流れで良いと思います(もちろん数学的な知識は別途必要ですが)。
コンピュータビジョンは手を動かすだけでも楽しいので、まずは難しく考えず楽しみましょう!むしろそれが一番大事かもしれませんね(笑)
では、今回はこのへんで!
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